大腸がんは40代から発症しやすくなります
日本で胃がんに次いで2番目に患者数が多いがんです。主な症状としては、血便などが挙げられますが、早期の場合は自覚症状がありません。
大腸内視鏡検査を行うことで、大腸がんを早期発見できるだけでなく、良性のうちにポリープを切除することで大腸がんを予防できます。
大腸がんの原因
大腸がんの発症は、生活習慣に大きく影響を受けるとされています。
特に、食生活の偏り、運動量の不足、喫煙、お酒飲み過ぎなどが原因で、大腸がんを発症しやすくなると言われています。
また、肥満なども大腸がんの発症に影響すると報告されています。
大腸がんによって亡くなった方の数は直近20年で1.5倍に増加し、発症率も欧米と同じくらいの水準まで上昇しています。これは、食生活の欧米化による影響だと推測されています。
よくある症状
発症初期の大腸がんは自覚症状が少なく、病状が進行すると以下のような症状が起こります。
なお、発症初期でもS状結腸や直腸に生じた場合は、硬い便が接触して少量の出血が起こることがあります。したがって、早期発見のために便潜血検査の結果を有効に活用しましょう。早期発見・早期治療のために、健康診断で便潜血検査陽性となった場合や、腹部のお困りの症状があれば、なるべく早めに大腸カメラ検査を受けることを推奨します。
大腸がんの発症リスクが増加する要因
大腸がんの発症リスクが増加する要因としては、食生活、加齢、体格、遺伝などが考えられます。
加齢
年齢別の発症者数の統計より、加齢が要因で大腸がんを発症しやすくなることがはっきりと分かります。40代になると徐々に大腸がんを発症しやすくなります。また、がん化リスクがある大腸ポリープについても40代になると発症しやすくなります。そして、50代になると急激に発症者数は増え、年齢が上がるにつれて90代まで増える傾向にあります。したがって、40代になったら、食生活などの生活習慣が乱れないように注意し、こまめに大腸カメラ検査を受けることを推奨します。
食生活
肉の赤身部分などの高たんぱく食や、油っぽい高脂質食などを食べ過ぎて、相対的に食物繊維の摂取量が不足することで、発症しやすくなるとされています。
嗜好品
アルコールの過剰摂取(アルコール摂取量≧23g/日)、香辛料の過剰摂取、喫煙などが要因で大腸がんを発症しやすくなるとされています。
遺伝
ご家族に大腸ポリープや大腸がんを発症したことがある方がいる場合、大腸がんを発症しやすいとされています。
体格
高身長(男性170cm以上、女性157cm以上)、高脂肪・肥満の方は大腸がんを発症しやすくなると考えられています。
大腸がんの有無を確認する大腸カメラ検査
大腸がんの進行スピードは緩やかなため、早期発見によって負担が少ない内視鏡治療で完治が期待できます。しかし、早期発見できず放っておいてしまい、進行して症状が起こってから治療を開始すると、開腹手術をしなければならなかったり、場合によっては手術ができないこともあり、日常生活にも大きな影響が出るほか、死亡リスクも増大します。
したがって、大腸がんは早期発見・早期治療が重要です。大腸カメラ以外の検査は、注腸レントゲン検査や便潜血検査などが挙げられますが、どれも発症間もないがんを見つけることは難しく、また確定診断をすることもできません。大腸カメラ検査は、大腸粘膜の状態を高画質の画面で詳しく確認し、疑わしい病変が発見されれば組織採取をして病理検査を実施することで確定診断に繋がるだけでなく、がん化リスクがある大腸ポリープや早期がんの疑いがあるポリープを即座に取り除くこともできます。大腸ポリープを取り除けば将来的ながんの発症防止に繋がるため、大腸カメラ検査は検査・診断・処置・予防も含めてトータルに対応できるとされています。
大腸がんの治療
発症間もない大腸がんは内視鏡で取り除くことで完治が期待できます。したがって、患者様にとって低侵襲な治療を実現できます。
しかし、進行すると開腹手術をしなければならず、また病状次第では人工肛門なども必要となり、負担が大きな治療となるだけでなく、日常生活にも悪影響が及びます。
がんが転移している場合は、放射線療法や化学療法も不可欠です。
なるべく早めに大腸がんを見つけるために、こまめに検査を受けることが重要です。